大阪・関西万博「未来の都市」、パビリオン初公開 各社がアトラクション披露

IHIの展示(出所:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会)
公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(大阪府大阪市)は3月10日、未来社会ショーケース事業・フューチャーライフ万博「未来の都市」のパビリオン内部を初公開した。併せて、バーチャル上で体験できる「バーチャル未来の都市」も発表した。
「幸せの都市へ」をテーマにしたこのパビリオンには、博覧会協会が主体の共通展示のほか、12の企業・団体が出展する。10日には、完成を祝う式典が開催され、各社はそれぞれのアトラクションを披露した。
アトラクションを通じて、自社の強みを紹介
IHI(東京都江東区)は、キューブ型シアター内に設置した大型3面スクリーンで、「水の旅・火の旅」をテーマに、水の恵みを最大化し脅威から守る「未来型水管理システム」とアンモニア燃料を活用した「クリーンエネルギーシステム」が実現する未来をイメージ化した映像を投影する。
このうち「火の旅」では、世界初となるアンモニアのみを燃料としたガスタービンによるCO2フリー発電やグリーンアンモニアにより実現する未来の都市のイメージがで展開される。

(出所:IHI)
商船三井(東京都港区)は今回、体験型アトラクションを企画している。
展示は風を捉えて水素を製造、運搬する次世代のゼロエミッション船「ウインドハンター」の大型模型を使った来場者体験型アトラクションと、長さ7.5mの大型スクリーンを用いた5本のテーマ映像投影で構成。長さ約4m・高さ約3mのウインドハンター模型に来場者がうちわで風を送ると、シミュレーション航海が始まる仕掛けとなっており、水素が製造・運搬・供給されるまでの様子が大型スクリーンに映し出される。
来場者の起こす風の量によってエンディングが変わるなど、ゲーム感覚で遊びながら学べるアトラクションだ。

(出所:商船三井)
日本特殊陶業(愛知県名古屋市)は今回の展示を循環型社会実験場とし、「水と空気のチカラで地球の未来を輝かせる」を表現するという。
同社の循環技術を駆使し、水と空気が姿形を変えながら地球の未来を輝かせる様子を、ナビゲーターと映像で演出。 未来の可搬型循環装置によって水や空気が変化していく様子が臨場感あふれるパフォーマンスとともに体感できる。

(出所:日本特殊陶業)
日立・川崎重工・クボタなど各社が未来の技術を展示
その他企業らの展示物は以下の通り。
- 日立製作所(東京都千代田区)・KDDI(同)の共同展示:「未来は自分たちで変えられる」をコンセプトに、未来の都市がどのように変わるのかをシミュレーション
- 川崎重工業(同・港区):移動本能を満たす実物大の未来のモビリティを展示
- 関西電力送配電(大阪府大阪市):地域社会の課題を解決するスマートポール(未来の電柱)を披露する
- カナデビア(東京都品川区):全面ミラーでできた世界樹をシンボルに資源循環の技術が体験できる
- 神戸製鋼所(兵庫県神戸市):全面LEDの球体モニターや「ボールコースター」でものづくりの未来を表現する
- 青木あすなろ建設(東京都港区)・小松製作所(同)の共同展示:「未来の水中工事」を水中施工ロボットの大型模型、ショートムービー、水中体験などを紹介する
- CPコンクリートコンソーシアム:建物完成後もCO2を吸収し続ける次世代コンクリートの技術を紹介する
- クボタ(大阪府大阪市):全長20m超のLEDスクリーンが一体となった映像空間で、「未来の食と農業」をテーマにした映像と未来の農業に触れるシミュレーションゲームを提供する。「未来のコンセプトモデル」も公開

関電送配電の「未来の電柱」(出所:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会)
アバターを介して未来の技術を擬似体験
バーチャル未来の都市は、「自分たちの生きていたい未来を考える」をコンセプトとした仮想空間。Society 5.0が目指す人間中心の都市空間を構築し、アバターを介して社会課題を解決した未来の姿や未来を支える技術など、バーチャルならではの独自体験が楽しめる。

(出所:公益社団法人2025年日本国際博覧会協会)
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2025年3月12日出典