慶大、生分解性プラスチックを3日で完全分解する微生物を発見

2025年02月28日掲載

GPパウダーを含む寒天プレートが分解される様子(出所:慶應義塾大学)

GPパウダーを含む寒天プレートが分解される様子(出所:慶應義塾大学)

慶應義塾大学は2月26日、同大学の研究グループが、カネカ(東京都港区)が開発した生分解性プラスチック「Green Planet(GP)」を数日で完全分解する微生物の取得に成功したと発表した。同大学は「この成果は、使用済みGP製品のオンサイトでの分解処理を実現する上での重要な一歩になる」としている。

GP製フィルムを3日で約100%分解

カネカのGPは100%バイオマスから微生物によって作られる生分解性プラスチック。他の生分解性プラスチックと比べて高い生分解性を示すものの、分解には数週間から数カ月程度がかかるため、高速分解する技術が求められていた。

研究グループは今回、兵庫県高砂市のカネカ高砂工業所内にあるGP生産プラント周辺の環境サンプルからGP分解菌の探索を行い、GPパウダーを含む寒天プレートに分離した候補株を塗布した。その結果、いくつかの候補株のコロニーの周りに透明な領域(ハロー)を確認した。ハローの発出は、微生物がGPを分解する酵素を細胞の外へ出したことによるものと解説する。

ハローを確認できた候補株では、GP-2株(Acidovorax属の微生物)が最も高く、GPフィルムを3日で約100%分解、フィルムより厚いストローは約2週間で完全に分解した。

GP-2株を用いたGPのストローとフィルムの分解率(出所:慶應義塾大学)

GP-2株を用いたGPのストローとフィルムの分解率(出所:慶應義塾大学)

今回の成果は、使用した店舗などでのオンサイト分解処理につながるものであるとし、研究チームは今後も、さらなる解析や条件の最適化を進める。

【参考】

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2025年2月28日出典

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