ハンズ、リチウムイオン電池の回収・資源化で動脈静脈連携 リサイクル3社と
ホームセンター/雑貨の小売を展開するハンズ(東京都新宿区)は4月13日、リチウムイオン電池を搭載した製品の回収・再資源化の取り組みを、VOLTA(静岡県富士市)、ルイテック(東京都八王子市)、エコモーション(同品川区)の3社と協働し実施すると発表した。同日より、ハンズ46店舗において「ハンディファン リサイクルキャンペーン」を開始した。
4社は協力し、リチウムイオン電池製品をハンズの店頭で回収した後、エコモーションが検品・梱包・搬出を行い、ルイテックおよびVOLTAが破砕・選別を経てコバルト・ニッケル・銅などを回収し資源化する。国内において、使用済みリチウムイオン電池搭載製品の資源循環の仕組みを構築し、運用していくことを目指す。
不適切な廃棄による火災防止と、動脈・静脈で資源循環サイクルを構築する取り組み
近年、リチウムイオン電池使用製品を、他のごみと混ぜて廃棄したことによりごみ収集車やごみ処理施設の火災が発生する事案が社会課題として挙げられている。また、回収されたリチウムイオン電池の多くは埋立処理や焼却処分に処され、資源の有効活用が進んでいないという現状もある。
同社はこうした課題に対応していくため、店舗利用客の意識醸成を図るとともに、資源循環の取り組みを促進する。
4月13日から開始された「ハンディファン リサイクルキャンペーン」概要
ハンズのキャンペーン対象店舗(46店舗)でハンディファン1点を購入すると、不要なハンディファンを1点を引き取る「引取券」を発行。引取券の発行期間は9月30日まで。対象店舗であれば、購入した店舗と別の店舗でも引き取りを行う(「引取券」の提示が必要)。引き取りは10月12日まで行う。

4者が協業で行うリチウムイオンバッテリー搭載製品の資源循環の仕組み(出所:ハンズ)
資源化を担うVOLTA、都のリチウムイオン電池資源化事業の協働事業者に採択
この取り組みで資源化を行うVOLTAは、4月13日に東京都の2026年度「リチウムイオン電池等広域的資源化事業」の協働事業者として採択された。東京23区や多摩地域における自治体など参加を希望する団体から、リチウムイオン電池などの回収・買取・資源化を担う。
同社は、リサイクル事業をグローバルに展開するエンビプロ・ホールディングス(静岡県富士宮市)の100%子会社として2018年1月に設立。エンビプログループは2011年よりリチウムイオン電池からコバルト・ニッケルを回収する実証試験に取り組んできた。VOLTAはこれらの知見や、各種リサイクルのノウハウを活用し、リチウムイオン電池やニッケル水素電池など充電式電池のリサイクル事業を展開している。
可燃性の電解質で発火しやすい性質だが、身近な製品に多様されるリチウムイオン電池
リチウムイオン電池は、モバイルバッテリーやスマートフォンだけでなく、携帯用扇風機(ハンディファン)、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチなど日常生活で持ち歩くことの多い身近な製品に使用されており、こうした機器の発熱・発火事故の報告が消費庁に寄せられている。
リチウムイオン電池は、他の二次電池と比べて高容量・高出力・軽量という長所を持つ反面、電解液として可燃性の有機溶剤を使用しているため、衝撃などで内部の正極板と負極板が短絡し、急激に加熱された後に揮発した有機溶剤に着火し出火するという性質も持つ。
東京消防庁の発表では、リチウムイオン電池関連の火災件数は年々増加し続け、2023年時点で167件に上ったという。

充電中のカメラ用バッテリーから出火した様子(出所:東京消防庁)
機内持ち込みのモバイルバッテリー 4月24日から新ルール適用
国土交通省は、4月24日よりモバイルバッテリーの機内持込みについて新たなルールを適用する。モバイルバッテリーに対する発火リスク低減のため国際基準の緊急改訂を受け実施されるもの。改定後は従来のルールに加え、「機内持込みのモバイルバッテリーは2個(160Wh以下に限る)まで」、「 機内でモバイルバッテリーへの充電をしないこと」、「 機内でモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしないこと」が追加される。


