中部・北陸・関西の系統を環状連系 26年8月送電容量最大140万kW増
中部電力パワーグリッド(愛知県名古屋市)、北陸電力送配電(富山県富山市)および関西電力送配電(大阪府大阪市)は4月1日、3社における中地域交流ループの対策工事が完了し、同日から運用を開始したと発表した。直流連系設備(BTB)を介していた中部・北陸間を含め、全体を交流で常時接続する構成へと移行した。
3社間を結ぶ送電ルート、1ルート→2ルートに増加 電力融通量が拡大
同ループは、中部・北陸・関西の3エリアの基幹送電網である500kV系統をつないだネットワークのこと。これまで中部・北陸間を結ぶ「南福光連系所」(富山県南砺市)のBTBで直流連系していたものを、交流で環状に常時連系した。

中地域交流ループの概要(出所:中部電力パワーグリッド)
今回のループ化により、3社間を結ぶ交流送電ルートは、1ルートから2ルートに増加。これに伴い、エリア間の運用容量(電力の輸送可能量)が拡大し、2026年8月の平日昼間帯では受電可能量が20万~140万kW程度増加する見込みだ。
特に中部エリアから関西エリアへの受電可能量では、ループ化前の131万kWから、ループ化後は273万kWと、142万kWの増加が想定されている。

中地域交流ループのメリット(出所:中部電力パワーグリッド)
安定的な系統接続環境の確保にも寄与
送電ルートの複線化により、供給信頼度も向上する。送電線の一部で事故が発生した場合でも、別ルートを通じた電力融通が可能となり、停電リスクの低減につながる。
こうした系統の強靭化は、再エネの導入拡大に伴い運用の難易度が高まる中で、発電事業者にとって安定的な系統接続環境の確保に資する。
なお南福光連系所のBTB設備は、老朽化に伴い保護制御装置が更新時期を迎えたため、今回のループ化にあわせて廃止された。老朽化に伴う更新投資を回避することで、送配電事業のコスト効率化も図る。
北海道・本州間の送電網、日本海ルート実施案提出を1年延長
全国の電気事業者などで構成する電力広域的運営推進機関は、各エリアの広域系統整備計画に関する検討を進めている。
2025年12月19日には、北海道と本州の大規模送電網「北海道本州間連系設備(日本海ルート)」の整備計画について今後の進め方について議論し、実施案の提出を1年延長することを決めた。
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2026年4月3日出典

