清水建設、横浜市の雨水池で水上ソーラー PPAでみなとみらいに電力供給

清水建設(東京都中央区)は11月5日、横浜市が所轄する雨水調整池を活用した水上式ソーラー発電事業を開始したと発表した。オフサイトPPAの仕組みを活用し、みなとみらい21地区に年間13万4000kWhの電力を供給。災害時には非常電源としても活用する。

浮力を持つフロート式架台で水位の変化にも対応

平時は渇水状態の雨水調整池に太陽光パネルを240枚設置(出所:清水建設)

平時は渇水状態の雨水調整池に太陽光パネルを240枚設置(出所:清水建設)

同事業において、同社は、横浜市の湘南桂台第二雨水調整池(栄区)の占用許可を受け、総面積1197m2の水上式太陽光パネルを設置し発電事業を行う。需要家への電力小売りは、同社100%出資の子会社スマートエコエナジー(東京都中央区)が実施する。

発電所となる雨水調整池は平時は渇水状態であり、降雨時の水位変化に対応するため浮力を持つフロート式の架台上に水上式太陽光パネルを設置。また、フロート架台と調整池の底盤をワイヤーで緊結し、水位が変動してもパネルの水平移動が抑制されるようにした。

同社は、水を常時貯えた調整池と比べ、発電設備の設置コストは約5%削減されたという。

国内では公共資産を活用した水上式ソーラー発電事業の例は希少

国土面積の問題や自然環境負荷の懸念などにより、国内では太陽光発電に適した土地の確保が困難になる中、太陽光パネルの新たな設置場所として雨水調整池の活用が模索されている。

同社は、国内でまだ例が少ない、自治体が所轄する調整池を民営の太陽光発電所として有効活用し、オフサイトPPA事業を展開する。自治体にとっては、電力使用の脱炭素化促進および公共資産の維持管理コスト削減が実現するメリットがある。

同事業は、横浜市が再エネの導入拡大、地産地消の推進を目的に公募した「雨水調整池を活用したオフサイトPPA事業」に採択された。

事業の概要(出所:清水建設)

事業の概要(出所:清水建設)

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2025年11月7日出典

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です