帝人系ら、「繊維to繊維」の資源循環構築へ コンソーシアム設立

帝人フロンティア(大阪府大阪市)は10月27日、東レ(東京都中央区)ら5者とともに取り組んでいる「繊維to繊維」の資源循環構築の実現に向けた研究開発・実証が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業に採択されたと発表した。また、今後のプロジェクト推進に向け、コンソーシアム「Consortium for Fiber to Fiber(CFT2)」を設立した。

酵素・微生物による繊維原料への再資源化などの研究開発に着手

「CFT2(シーエフティーツー)」の参画企業は、帝人フロンティア・東レのほか、倉敷紡績(大阪府大阪市)、地球環境産業技術研究機構(RITE/京都府木津川市)、日清紡テキスタイル(東京都中央区)、日本毛織(大阪府大阪市)。

コンソーシアムでは、これまで再資源化が困難であった未利用資源である複合繊維素材の廃棄衣料品を用いて、酵素による選択的分離や微生物を用いた繊維原料への再資源化の技術開発を進める。また、繊維企業5社がこれまで培ってきたメカニカルリサイクルやケミカルリサイクル技術を活用し、天然繊維と合成繊維の両方に対応した衣料品資源循環システムの構築を目指す。

具体的な取り組み内容と各社の役割は、以下の通り。

  • 未利用資源である廃棄衣料品の再資源化技術の開発・実証:帝人フロンティア・倉敷紡績・東レ・日清紡テキスタイル・日本毛織
  • 未利用資源である廃棄衣料品を再活用するための選別技術の開発・実証:帝人フロンティア・東レ
  • 廃棄衣料品の再資源化のための産業用酵素・微生物開発プラットフォームの構築と、繊維のバイオリサイクル技術の確立・高度化:地球環境産業技術研究機構
  • バイオものづくり製品の社会実装のための評価手法などの検討:6者共同
「Consortium for Fiber to Fiber(CFT2)」による廃棄衣料品の資源循環の取り組みイメージ

「Consortium for Fiber to Fiber(CFT2)」による廃棄衣料品の資源循環の取り組みイメージ

繊維業界でも進むサーキュラーエコノミー推進

現在、さまざまな業界でサーキュラーエコノミーへの移行が求められる中、繊維産業においても、廃棄衣料品を資源として最大限活用するためのリユースやリペア、繊維から繊維への水平リサイクルに加え、エネルギーの効率的利用や廃棄量の最小化などの取り組みが進められている。

こうした中、6者は今回、NEDO事業「バイオものづくり革命推進事業」の採択を機に、プロジェクトを推進する同コンソーシアムを組織した。

記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2025年10月29日出典

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