戸建て住宅に薄型太陽光パネル設置、施工性などを検証 住友不・東電EPら

戸建住宅に薄型太陽光パネルを設置する実証を開始(出所:住友不動産)
住友不動産(東京都新宿区)は8月6日、グループ会社の住友不動産ハウジング(同)、東京電力エナジーパートナー(同・千代田区)、TEPCOホームテック(同・墨田区)と共同で、戸建住宅に薄型太陽光パネルを設置する実証実験を開始すると発表した。この実証は、「すみふ×エネカリ」の新商品提供に向けたもので、戸建住宅への接着工法を試行し、商品化への実現性を検証する。
施工性のほか、変換効率や防眩性などを検証
実証で使用する太陽光パネルは、電巧社(東京都港区)提供の「フレキシブルソーラーG+」。1m2当たりの重さは3〜4キログラム、薄さ2.5〜4mmと、超軽量・超薄型が特徴だ。
これをTEPCOホームテックが、住友不動産グループが運営・管理する東京都武蔵野市の「住友不動産の注文住宅 J・レジデンスモデルハウス」および千葉県成田市の「住友不動産の注文住宅 J・アーバンコートモデルハウス」の屋根に設置。太陽光パネルの施工性や耐久性、変換効率や防眩性、また戸建住宅屋根との相性やデザイン性を検証する。
住友不動産グループと東京電力グループは、検証を踏まえ、2026年6月の商品化を目指す。
戸建てへの太陽光導入は、設置場所の制約や初期コストがネックに
住友不動産グループによると、既存戸建住宅への太陽光パネルの設置には、設置場所の制約や耐震補強などの初期コストが障壁だという。今回の実証により、超軽量で薄型な太陽光パネルを住宅へ設置することの実現性が確認されることで、新商品の訴求につながるとしている。
太陽光・蓄電池の普及拡大に向け、2021年に「すみふ×エネカリ」の提供開始
2050年カーボンニュートラル達成に向けては、家庭部門での脱炭素化が重要であるとし、国や自治体による太陽光パネル設置の普及促進・義務化が進んでいる。
住友不動産と東京電力EPは2021年に、脱炭素リードプロジェクト協定を締結。これに基づき、新築戸建住宅および既存戸建住宅のまるごとリフォーム「新築そっくりさん」において、太陽光発電設備および蓄電池の普及を促進する太陽光発電サービス「すみふ×エネカリ」を提供している。
「すみふ×エネカリ」は、住友不動産が施工する新築戸建住宅・既存戸建住宅向けのサービスで、初期費用なし・定額料金だけで太陽光発電設備と蓄電池が利用できる。これまでに約4000件が利用している。

「すみふ×エネカリ」を中心とした連携体制(出所:住友不動産)
- 用語解説:防眩性とは、発電量が少ないことに加え反射を防ぐ機能のこと。
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2025年8月8日出典