東京ガス、e-メタン製造の実証 都産グリーン水素と下水汚泥由来CO2活用

東京ガス(東京都港区)は5月7日、東京都と共同で、再エネ由来のグリーン水素と下水汚泥由来のCO2を活用して都市ガスの主成分である「e-methane(e-メタン)」を製造する実証を実施すると発表した。事業期間は2025年度から2026年度までの2カ年で、2025年度は基本計画策定や機器の設置を行い、2026年度中に製造を開始する予定だ。
e-メタンの実用化へ課題を抽出
都は現在、大田区京浜島で、グリーン水素の製造プラントの整備を進めている。この事業では、プラントで生成した都産グリーン水素と、同区下水道処理施設「森ヶ崎水再生センター」の下水汚泥由来のCO2を原料にe-メタンを製造する。
東京ガスは事業の実施事業者として、水素製造プラントから水素カードルを用いて水素を運搬し、森ヶ崎水再生センターにおいて、IHI製小型メタネーション装置を用いてe-メタンを製造する。製造量は12.5Nm3h。
下水汚泥から発生する混合ガス中のCH4とCO2を分離せずに、原料として配管により連続的に供給しながらe-メタンを製造するのは国内では初めての取り組みとなる。
東京ガスグループは、経営ビジョンにおいて「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、2022年3月にe-メタンを製造する実証試験を開始。横浜市とは、下水道施設で発生する再生水と消化ガスを、水素とe-メタン製造の原料として利用する共同実証を実施している。
記事出所: 『環境ビジネスオンライン』 2025年5月14日出典